暗くても良いじゃないか

音楽のこと、本、LEGOのことを気ままに投稿。

持続音

Aphex Twinさんのアルバム「Drukqs」を公の場(ブログや音楽記事など)で再評価する方が増えてきたような印象を最近感じるようになりました。
私が初めてAphex Twinさんの作品を聴いたのは「Drukqs」でした。
Disc1の最初の曲から聴き始め6曲目「Gwely Mernans」で発見がありました。
(YouTubeに公式の動画がないので載せられません、すみません)
ドコドコという和太鼓の大太鼓を連続的に叩いているような音が円を描くように動いているように聴こえます。
イヤホンかヘッドホンで聴くと分かりやすいです。
おそらく、2ch以上のサラウンド音声で表現するか、音を左右に揺らすPANやEQ、音量を共に調節し合うことでこのようなことができるのだと思います。
それだけではないです。
円軌道を描く音が、右側の位置から左側の位置に瞬間的に移ったり、円軌道の4分の1分(90度分)瞬間的に移るタイミングがあります。
また、ドコドコという音にのせて暗いシンセの音がたまに鳴ります。
円錐振り子をずっと見ているときの引き込まれそうな感覚に似ています。
曲の中へ「ドコドコ音」に連れて行かれそうな気分になりました。
メランコニックな曲です。
また、Brostepで有名なSkrillexさんを輩出したmau5trap(マウストラップ)というレーベルがあります。
No Manaさんはmau5trapから2曲入ったシングルを「1up」から順に「1up,2up…」のようにタイトルがレベルアップするシングルシリーズを出しています。
私の好きなNo Manaさんの曲に「11up - Single」に入っている「Main’s Groan」という曲があります。

(No Mana、「Main's Groan」、YouTube、2019)
この曲は低く太い音がずっと鳴っている中で、色々な音が展開されていきます。
誰かがずっと「Groan=唸り声」を出していて、色々な人がどうにか止めようとしているような情景が浮かびます。
「ドー」という音に導かれ、曲の中へ引き込まれそうな感覚になりました。
「Gwely Mernans」のドコドコという音に引き込まれそうな感覚に似ています。
どちらも暗い曲ですが、それぞれの曲に1音1音へのこだわりや音の見せ方への工夫を感じます。