音楽について思うこと
ノイズ音楽という、ノイズを使ったアバンギャルドな音楽があります。
ノイズといってもクリックノイズ、グリッチノイズ、ホワイトノイズ、スイッチノイズ、生活の中でのノイズ、パルス波によるノイズなど、色々な音があります。
音楽はアーティストが表現したいものが曲になっている(表現されている)ので、誰かが作った音楽は作者の考え方の一部だと僕は考えています。
音楽を聴くことは作者とのコミュニケーションのように思います。
この音楽は嫌いだと思っても排除しようとすることは差別のように感じます。
僕自身、ノイズを使った音楽を初めて音楽雑誌で知ったとき「嫌だなぁ」と思いました。
興味本位でYouTubeに投稿されているノイズ音楽を聴いてみました。
意外と嫌ではありませんでした。
僕とは正反対に、ノイズが嫌いな方もいると思います。
こんなの音楽ではないと言う方もいると思います。
しかし、ノイズでも表現できることがあると思います。
音楽での表現の自由さ・多様性をノイズ音楽から感じます。
個人個人によって感じ方・考え方が違うことに似ている気がします。
機材について考える…
YouTubeのFACTmagazineというチャンネルの10分で曲を作らなければならない企画「Against The Clock」というものがあります。
その中でもHector Plimmerさんの動画を紹介したいと思います。
(YouTube FACTmagazineより引用)
Hector Plimmerさんは2017年にアルバム「Sunshine」を出しています。
アルバムにはAmbient、ハウス、IDMなど様々なジャンルにJazzyさをつけ足した曲ばかりが入っています。(iTunesではIDM/エクスペリメンタルと表示されます)
僕が把握できる範囲ではLPレコードとストリーミングで販売されています。
Hector PlimmerさんのFACT Magazineの動画とinterviewから分かる範囲では使用機材が、YAMAHA PSS-580、Roland Piano Plus 11、Novation Bass Station、ドラム(おそらくスネアドラム2台とタンバリンの鈴付きハット)、Korg MS2000BR、Roland SP-404SX、Mixer、缶に砂を入れたもの、カラカラと音が鳴る何かの実を乾燥させた物がブドウのように連なったもの、etc…を使って作曲しておられるようです。
名前の知らない楽器とおそらく自作楽器を使っておられていて、見ていてとても楽しいスタジオ(ワークスペース)になっています。
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他に、HeatsickさんはCASIOキーボードとLooper、エフェクターのみで作曲されています。
機材選びについて考えさせられます。
(YouTube FACTmagazineより引用)
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ハードウェアを使って音楽を作っているアーティストのスタジオは大抵、これらの機材を揃えるには大変だと感じるスタジオ(ワークスペース)が多いです。
揃えやすい機材を使っていてもHector Plimmerさん、Heatsickさんの機材への愛や、曲に対する熱意を感じます。
持続音
Aphex Twinさんのアルバム「Drukqs」を公の場(ブログや音楽記事など)で再評価する方が増えてきたような印象を最近感じるようになりました。
私が初めてAphex Twinさんの作品を聴いたのは「Drukqs」でした。
Disc1の最初の曲から聴き始め6曲目「Gwely Mernans」で発見がありました。
(YouTubeに公式の動画がないので載せられません、すみません)
ドコドコという和太鼓の大太鼓を連続的に叩いているような音が円を描くように動いているように聴こえます。
イヤホンかヘッドホンで聴くと分かりやすいです。
おそらく、2ch以上のサラウンド音声で表現するか、音を左右に揺らすPANやEQ、音量を共に調節し合うことでこのようなことができるのだと思います。
それだけではないです。
円軌道を描く音が、右側の位置から左側の位置に瞬間的に移ったり、円軌道の4分の1分(90度分)瞬間的に移るタイミングがあります。
また、ドコドコという音にのせて暗いシンセの音がたまに鳴ります。
円錐振り子をずっと見ているときの引き込まれそうな感覚に似ています。
曲の中へ「ドコドコ音」に連れて行かれそうな気分になりました。
メランコニックな曲です。
また、Brostepで有名なSkrillexさんを輩出したmau5trap(マウストラップ)というレーベルがあります。
No Manaさんはmau5trapから2曲入ったシングルを「1up」から順に「1up,2up…」のようにタイトルがレベルアップするシングルシリーズを出しています。
私の好きなNo Manaさんの曲に「11up - Single」に入っている「Main’s Groan」という曲があります。
(No Mana、「Main's Groan」、YouTube、2019)
この曲は低く太い音がずっと鳴っている中で、色々な音が展開されていきます。
誰かがずっと「Groan=唸り声」を出していて、色々な人がどうにか止めようとしているような情景が浮かびます。
「ドー」という音に導かれ、曲の中へ引き込まれそうな感覚になりました。
「Gwely Mernans」のドコドコという音に引き込まれそうな感覚に似ています。
どちらも暗い曲ですが、それぞれの曲に1音1音へのこだわりや音の見せ方への工夫を感じます。